沈んでいく息【川手絵里による体験談】

沈んでいく息【川手絵里による体験談】

桜のつぼみが可愛いふくらみ

新しい1日がなん度も何日も繰り返され

拍手でこれからの未来を送り出してくれた

ひととの多くの時間は

心に残る思い出になったのかなと想像します

こんにちは川手絵里です

私は小学生から中学生にかけて

とても引っ込みじあんで授業中は

なるべく先生に当てられないように

息をひそめていました。

そんな中

どうしてもそんな私が気になる人たちが多くいて

何かしてもしなくても笑われていたので

特に次の授業が始まるまでの10分〜15分の休憩が

なくなればいいと思っていました。

教室にあった細長くて黒いピアノをひいていると笑われたり

着ている服を笑われたりテストの答案用紙をみた子が

「こいつ◯点だって〜バカだ」

と言った声が教室にひびき渡っていた日もあり

自分でどんな気持ちになっていたのか分からず

少しずつ隠れるよう

私のからだは登校する道のりを学校ではない何処かへ向かっていました。

当時の私の家のまわりは自然に恵まれていたので

川のせせらぎを感じる川辺や

豚をたくさん飼っている豚小屋や牛小屋、

その他には例えば近くのスーパーでした。

特にお気に入りの場所は森で

ゴミ捨て場にあった鍋や

イスや毛布をその場所に持っていき

自分だけのひみつ基地を作って

大きな木でシーソーにして遊んでおり

本気で誰にも知られていない場所だと信じていて

学校よりも家に帰る事よりもそのひみつ基地が安心の場所で

時々、

妹をこっそり連れて行ってあげていたのを覚えています。

新しい季節に草木が芽吹いてくると

近所をみんなで掃除をする習慣があって

ひみつ基地はなくなり

やがて私は心の安全を保つために

1番身近な自宅の押し入れの中に

いることが多くなり

きょうだいや母に見つからないようにと

家でも声と息をひそめて過ごしていました。

母は忙しくしており

夜も昼も家にいなかったので

私がひみつ基地で過ごしていたときも

押し入れで過ごしたときも

学校に行っていない事も

関心を示す時間がないのを知っていました。

それでも

私は

なるべく 声をださないように 

なるべく 息をひそめて

なるべく 着ている服を見られないように

なるべく 知られないように…と。

そんな私を気にかけてくれた先生がいて

小学校の低学年の時は とみなが先生

中学1年生の時は ほりうち先生

何かがはじけてしまいそうな私の真っ正面で

『いいか、がんばれよ!!!』

と先生の胸のあたりのこぶしが

こころ強く今でも覚えていて

こんな春の季節には先生の顔を思い出します。

先生 ちゃんと 生きているよ わたし

言葉の通り がんばれたとおもいます

先生にありがとうと伝えたい

届け このおもい

きっと 君も あきらめていないはず

きっと 君は あきらめていないはず

すばらしくて 楽しい時間は

これからも たくさん やってくる

だいじょうぶだよ!君にも届け。

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