ヒプノセラピーについて

あの人への罪悪感が消えない…。魂の対話で自分を赦し、再び歩き出すための物語

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色褪せた景色の中で、立ち尽くすあなたへ

止まった時間、色褪せた視界
止まった時間、色褪せた視界

ふとした瞬間に、まるで時が巻き戻るかのように、あの日の景色が、声が、空気が、すぐそこにあるかのように蘇ってくる。

友人たちと笑い合っている、その刹那。美しい夕焼けに心を奪われた、その一瞬。不意に胸の奥をチクリと刺す、小さな棘の痛み。楽しいはずの時間の底に、美味しいはずの食事の味の奥に、いつも潜んでいる鈍い重さ。

「忘れてしまいたい」 そう強く願えば願うほど、記憶は皮肉にもより鮮明な輪郭を帯びて、静かに私を責め立てるようでした。

周りの世界は目まぐるしく季節を変え、人々は語り合い、未来へと軽やかに歩みを進めている。それなのに、まるで私だけが、一枚の色褪せた写真の中で立ち尽くしている。あの時から、私の時間だけが固く凍りつき、止まってしまったかのように。その焦燥感と孤独感は、誰にも打ち明けることができず、心の深い場所に澱(おり)のように溜まっていく・・・。

「手放す」ために、もがき続けた日々

その凍てついた時間をどうにか溶かしたくて、私は本当に、たくさんのことを試しました。 カレンダーを真っ黒に埋め尽くすほど仕事に没頭し、考える隙を与えないようにしてみたり。全く知らなかった世界に飛び込んで、新しい趣味に心を注いでみたり。友人の前では、誰よりも明るいおどけ役を演じて、心の空洞を笑い声で埋めようとしたり。

けれど、どんなに眩しい光の当たる場所に自分を置いても、心の影が薄まることはありませんでした。むしろ、光が強ければ強いほど、影はより濃く、長く伸びていくだけ。

勇気を振り絞って信頼する人に打ち明けても、返ってくるのは

「気にしすぎだよ」
「もう終わったことじゃない」
「誰にでもあることだよ」

という、優しいようでいて、私の痛みを置き去りにする言葉たちでした。その度に、この罪悪感は誰にも理解されないのだと、かえって深い孤独の海へと沈んでいくのでした。

どうすれば、この棘は抜けるのだろう。 どうすれば、この重い石を下ろせるのだろう。

答えの出ない問いだけが、静かな夜の部屋で空回りし続ける。 そんなある夜のことです。夢とも現実ともつかない意識の狭間で、私は霧深い森の奥深く、一筋の温かい灯りがもれる小さな庵(いおり)を見つけました。そこにいた静かな賢者は、私の目を見て、ただ一言、こう告げたのです。

「赦しは、外の世界を探し回る旅の終わりにはない。あなたの内なる対話の中にだけ、その扉は存在するのだ」と。

内なる対話への、静かな導き
内なる対話への、静かな導き

ジャッジのない「静寂の部屋」で起きたこと

その言葉に導かれるように、私は、ある案内人の手を借りて、心の最も奥深くにある「静寂の部屋」の扉を、そっと開けました。

そこは、言葉で言い表すのが難しいほど、ただ、温かい光に満ちた空間でした。 壁も、天井も、床もなく、時間の流れさえ止まったかのような絶対的な静けさの中で、ただ優しい光だけが、傷ついた私のすべてを、ありのままに包み込んでくれる。ここでは、どんな醜い感情も、どんな身勝手な言葉も、正しいとか間違っているとか、誰かに判断されることはありません。ただ、そう感じているという事実だけが、神聖なものとして存在を許される場所でした。

案内人は、何も問い詰めることなく、何も評価することなく、ただ静かに私の隣に寄り添い、私が心の準備を整えるのを、永遠とも思える時間、待ってくれていました。そのジャッジのない穏やかな眼差しが、「あなたは一人ではない」という何よりのメッセージとなり、固く閉ざしていた心の扉の錠を、ゆっくりと解きほぐしてくれたのです。

光の中で、私は向き合いました。 ずっと会いたかったけれど、会うのが何よりも怖かった、あの人の魂と。そして、あの日の無力で、震えていた自分自身の魂と。

不思議なことに、そこに、自分を正当化する言葉も、許しを乞う言葉も、取り繕う言い訳も、何一つ必要ありませんでした。 ただそこにあったのは、これまで決して言葉にできなかった、剥き出しのままの、本当の想いだけ。

「ごめんね」 それは、後悔や謝罪の念だけではなく、ただ、心からそう伝えたかったという、子どものような純粋な想い。

「大丈夫だよ」 それは、許しの言葉というよりも、「あなたの痛みを、私は知っているよ」とすべてを受け入れる、母のような温かい響き。

言葉にならない想いが、熱い涙となって次から次へと溢れ出し、光の中に溶け合っていきます。すると、私の胸の奥で、氷のように冷たく、鉛のように重く鎮座していたあの石が、じんわりと内側から熱を帯び、自らもまた、柔らかな光に変わっていくのを感じました。

罪悪感が、消えてなくなったのではありませんでした。 それは、私を過去に縛り付ける冷たい鎖から、人の痛みに深く寄り添える、温かな優しさの源泉へと、その姿を変えたのです。

再び、私の時間が動き出した朝

「静寂の部屋」からゆっくりと戻ってきた私が目にした翌朝の光は、昨日まで見ていたものとは、明らかに違っていました。窓から差し込む一筋の光が、部屋の埃さえも美しく照らし出し、世界のすべてが祝福されているかのように、キラキラと輝いて見えたのです。

再生した世界、新しい朝
再生した世界、新しい朝

窓を開けると、流れ込んできた風が新しい季節の匂いを運び、遠くで鳴く鳥の声が、まるで音楽のように心を震わせました。止まっていた私の時間が、世界の優しいリズムと再び重なり合い、ゆっくりと動き出した瞬間でした。

胸の痛みは、今もふとした瞬間に顔を出すかもしれません。 でも、もうそれは、私を過去に引き戻し、心を苛む棘ではないのです。それは、同じように痛みを抱える誰かの心に、そっと寄り添うことができるための、優しさの証となりました。

「答えは、最初からあなたの中にありましたね」 案内人の言葉が、心に優しく響きます。誰かから与えられる既成の正解ではなく、私自身の内なる対話で見つけ出した、世界でたった一つの、私だけの真実。

もし、この物語を読んでくださっているあなたもまた、同じように色褪せた景色の中に立ち尽くしているのなら。

無理にその重い扉を開けようとする必要はありません。焦る必要も、自分を責める必要も、決してありません。 ただ、その扉の向こうに、あなたの物語を、あなたの痛みを、あなたの涙を、ただ優しく受け止める、温かい光が灯る部屋があることを、心の片隅に覚えておいてください。

非日常のひとときを、あなたの心に

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