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機能不全家族の中の役割を知る:子どもの適応行動から大人への転換へ

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機能不全家族の中の役割を知る:子どもの適応行動から大人への転換へ
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機能不全家族の状況とバランス

この記事を読むにあたって

家族間は、役割を持つことによってバランスをとっています。 ですから役割があることはとても自然なことです。

機能している家族間の役割は、 物事や状況に応じて自由に変わりますし、変わってもいいという暗黙のルールが存在しています。ですから、子どもにも役割の選択肢があるということです。

しかし、機能不全家族間での役割は、 その役割しか許されない強固な雰囲気があります。それは子どもに役割の選択肢がないということです。

機能不全家族とは?

機能不全家族とは、家族内の一人以上のメンバーが感情的、物理的、あるいは心理的な問題を抱えており、それが家族全体の健全な機能を妨げる状況を指します。これは、家族のメンバーがお互いの健全な成長や発展をサポートできない状態を示唆しています。アルコール依存症やドラッグ依存症のある家庭、虐待やネグレクトが存在する家庭などが典型的な例ですが、これらはあくまで機能不全家族の一部に過ぎません。

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なぜ家族は「機能していないこと」でバランスを保っているのか?

不思議なことに、機能不全家族は「機能していない」ことで一定のバランスを持っています。それは、家族内での役割分担や期待が明確になっているからです。例えば、ある家族メンバーが問題行動を示すと、他の家族メンバーはそれをカバーする、または適応することで家族全体のバランスを取るようになります。これにより、一時的には安定感を保っているように見えますが、長期的には健全な家族関係を損なう可能性が高まります。

家族間の椅子取りゲーム:一つの席が空くと誰かが移動する

この現象は、「家族間の椅子取りゲーム」として例えることができます。具体的には、家族の中で一人が役割を放棄または変更すると、他の家族メンバーがその役割を埋めるように動きます。例えば、親が養育の責任を放棄すると、その役割は兄弟や子どもが取ることになり、家族の中での役割の均衡が保たれるようになります。しかし、このような役割の移動は、短期的な安定をもたらすものの、家族メンバーそれぞれの成長や発展を妨げる可能性があります。

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子どもたちが機能不全家族の中で演じる役割

養育の役割が放棄された時の子どもの選択

機能不全家族では、大人が適切な養育の役割を果たさない場合がしばしば見られます。このような状況下で、子どもは家族のバランスを取るため、自らが大人の役割を果たそうとすることが多いです。これは、家族の中での安定感を求め、自らの立場や安全を確保するための適応行動とも言えるでしょう。

子ども時代の6つの役割とは?

機能不全家族の中で、子どもたちは様々な役割を演じることが求められます。以下はその代表的な役割とその特徴です。

  • 「ヒーロー」役割の特徴 ヒーローは家族の中での成功者としての役割を果たします。学業やスポーツでの成功、家族の誇りとなる存在です。しかし、その背後には家族の問題を隠すための過度な努力や、自身の感情を抑える傾向があります。
  • 「世話役」の特徴 世話役は家族の中でのケアギバーとしての役割を果たします。他の家族メンバーの面倒を見ることで、家族の結束を強める役目を持ちます。しかし、自らのニーズや感情を犠牲にする傾向が強いです。
  • 「救済者/慰め役」の役割 この役割を持つ子どもは、家族の中での平和の維持者として機能します。対立や問題が起きた時に、仲裁や慰めの役割を果たすことが多いです。
  • 「反逆者/犠牲の子羊」の役割 反逆者は家族の中で問題行動を示す役割を持ちます。家族の注目を自らに向けることで、他の家族メンバーの問題や緊張を緩和する役目があります。
  • 「失われた子ども/順応する子ども」の特性 失われた子どもは、家族の中で目立たないように振る舞います。問題を起こさないように、自らの存在を最小限に抑えることが多いです。
  • 「マスコット」役割とは? マスコットは家族の中でのムードメーカーとしての役割を果たします。明るく、コミカルな行動で家族の笑顔を作り出す存在として機能しますが、真の感情や問題を隠すことが多いです。

役割からの解放:大人になるという新しいステージ

子ども時代に家族の中で担ってきた役割は、状況的な適応行動として形成されます。これは、家族内のバランスを維持するため、また自らの安全を確保するための生きる戦略とも言えるでしょう。しかし、これはあくまで一時的なもの。人は成長し、変化する生き物です。そして、大人になる過程では、新しい自己認識や価値観を築き上げることが可能です。

大人になるということは、新しい環境や経験を通じて、かつての役割や束縛から自由になるチャンスが増えるということです。もちろん、過去の経験や影響はゼロにはなりませんが、自らの意識や行動を再評価し、新しい選択をすることができるのです。

重要なのは、かつての役割や家族の状況が今の自分を完全に定義するものではないという認識を持つことです。過去は変えられなくても、未来は自分の手で形成することができるのですから。役割からの解放は、自分自身の成長と変革の過程です。その道のりは簡単ではないかもしれませんが、その先に待つ自由や新しい自分を信じ、一歩ずつ進んでいくことが大切です。

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