子ども時代の4つの役割

機能不全家族というシステムの中で、
子どもたちはその時の家族の状況に応じて、
それぞれの役割を演じるようになります。

これをやるとご褒美がもらえる。
これをやると罰せられる。

といったシステムの中で、
役割分担が決められるのです。

役割は大きく分けて

「ヒーロー」(さらに3つのタイプに分けられる)
「反逆者/犠牲の子羊」
「失われた子ども/順応する子ども」
「マスコット」

の4つに分けられます。

ヒーロー

ヒーロー

  • 最初に生まれた男子。
    大抵の場合、長男。
  • 成功するように条件付け。
    良い成績をとる。
    ルールを守る。
    間違いをおかさない。
  • 外の世界で成功することにより両親を良い気分にさせる。
  • 成功したいと思う動機は承認を得ることで、愛を求める代わりに承認を得ようとする。

世話役

  • 最初に生まれた女の子。
    大抵の場合、長女。
  • 親の代わりをしたり、家事をよくするタイプ。
  • 親の役割をさせられる。
    例:
    「妹/弟が泣いているじゃない。ちゃんと面倒みていなさい」
    「お母さんは忙しいんだから、やっておいてちょうだい」
  • 機能不全家族のストレスを軽減する役割。
    動機は承認を得ること。
    自分がコントロールしているという感覚を得ること。

救済者/慰め役

  • おおむね、長男・長女。
  • 平和を取り持つ役割。
    家族の痛みを軽減するという形で、家族に奉仕する。
    家族の感情に対して、自分が責任をとろうとする。
  • 妹が泣いていると「ほら私のお人形をあげるよ」とか、母親が父親と喧嘩して泣いていたら、そっと母親のそばにいって慰めたりする。
  • 常に過剰にまわりを観察し、今何が起きているかとか、他の子どもたちがどうしているのかなどに気を配っている。
    そうすることで、自分がどう反応すべきかがわかるから。

反逆者/犠牲の子羊

  • 二番目に生まれる男子・つまり次男に多いタイプ。
    まれに女の子や、三人兄弟の真ん中の子。
  • 怒りを実際に行動化するのが特徴。
    激しい怒りや反抗を表現し、他の子をいじめたり、言われたことに逆らったり、プレッシャーに対して反応したりする。
  • 両親はときに「長男は成績がいいの。だから私たちは良い親よ。でも何かがうまくいっていないのはあの子がいるからよ。」と表現する。
    要するに、
    「犠牲の子羊」の役割を引き受けて、家族がうまくいかないのはおまえのせいだ、という非難を一手に引き受けてくれます。
  • 次男が生まれた時には、いい子になろうとする「ヒーロー」の役割がすでに取られているので、ポジティブな注目を求めて競争しても勝ち目はない。そこでネガティブな注目を浴びて、いい子と対極にある反逆者になります。

失われた子ども/順応する子ども

  • 性別に関係なく、末っ子または真ん中の子。
  • 起きているすべてのことに自分を適応させようとします。
  • 「お父さんが怒っているから静かにしていよう」とか「お母さんが癇癪を起こしているから部屋にこもっていよう」というように。
  • だいたいが恥ずかしがり屋で、物静かです。ファンタジーの中に生きて、痛みや葛藤から距離を置こうとします。そして、「自分は愛されるに値しない」と信じています。

  • なるべくじっとして新たな迷惑をかけないことで、機能不全の家庭をサポートする。

  • 上の兄弟姉妹に、ヒーローと反逆者の役割をとられているので、ポジティブな注目もネガティブな注目も得られません。
    子どもは注目を必要とするので、ユニークさで他の兄弟姉妹より勝ろうとするのですが、その傾向が否定的に働くと、何も求めない子どもや、背景にまぎれて隠れようとする子どもになります。
  • 大人なると、距離を置いて相手をブロックし、親密性を自分に許可しようとしません。

マスコット

  • 末っ子に多いタイプ。女の子より男の子の方がやや多い。
  • 家族のいわゆるペットのような存在で、常にパフォーマーです。
    家庭の機能不全や痛みを散らすために何でもします。
  • 笑われることでポジティブな反応をもらえるのが本人のご褒美です。
    ひょうきん者で魅力的ですが、自分自身に対してもバカなことをします。
  • 緊張感を感じたら、何かバカバカしいことをやって笑いをとり、お互いを殺し合う前にそのエネルギーを壊します。

家族の間でバランスをとる

家族間は、
役割を持つことによってバランスをとっています。

アルコール依存症の父には、
それを甲斐甲斐しくお世話をする誰かが必要ですし、

不安がいっぱいの母には、
助けてくれるヒーローが必要です。

上のイラストで示したように、
家族のスタートは基本形は夫婦からスタートですので、
その夫婦が必要にしている役割を子どもが継いでいきます。

役割を持つことがいけないのではありません。
むしろ、役割はとても役に立つものです。

しかし、
機能不全家族では、
その役割しか許してもらえないような強固なものだったりします。

例えば、
母親がアルコール依存症だったとして、
長女が家族全員の母親(心理的に)の代わりになってしまうとか。

機能している家族と機能不全家族の違い↓

子どもは、
大人に養育してもらう必要があるのです。

それが何らかの理由でできないとき、
子どもは親の役割(イス)に座ってしまう。

でも、
子どもは生き残るためにやっていることなのですから仕方ないのです。