
☆ 家族に正解ってあるの?
☆ その違和感、小さい頃からのものではなかった?
☆ 自分の価値観を見直し、その価値観で生きていくとは?
こんな疑問に答える記事です。
生まれ落ちた家族のルールが当たり前だと思い込みます。ですから「私の家族はおかしい」と思えるのは、かなり大人になってから他所の家と比べたりすることで発覚することはあります。とくに目に見えない機能不全家族は、養育者が生理的な欲求を満たしてくれているため、社会の人たちと関わるようにになってから「あれ?うまくいかないぞ」と思っても、原因が育ってきた家庭環境にあるとは露程も思っていません。
機能不全家族とは?
機能不全家族とは、子どもを育てる機能を果たしていない家庭のことを言います。
機能不全家族には、【目に見える機能不全家族】と【目に見えない機能不全家族】の2種類あります。
目に見える機能不全家族
薬物やアルコール乱用の家族や暴力(身体・言葉)や性的虐待やネグレクトなど、あきらかに機能していない状況が日常的になっていて、はっきりと目に見える家族のことです。このような家族システムには非一貫性と予測不可能により安定性が失われていますので、子供たちは自分の気持ちを脇に置き、家族の安定に躍起になるのです。
目に見えない機能不全家族
はっきりと問題が見えません。子供たちは食事を与えられ、きれいな洋服を着せてもらい、良い学校を卒業し、家族旅行も行っている…など、子供たちの育て方に何も問題なく見える家族なのですが、子供たち自身は大人になって、何か自分の中で足りないような気がしていて自分に欠陥があると思い込んでいます。そのような気持ちになる原因は、大方、両親の欲求に応えることが期待されていますので、両親の期待に応えることで自分の家族の安定を保とうとするのです。
その家庭が機能不全家族は、見た目ではわからない
機能不全家族に育った子どもは、何かを喪失したまま大人になります。
幼少期、トラウマの瞬間に本当の自分を否認したまま凍りついてしまうと、自分の本当の姿を知る可能性を失います。子どもはそのときの感情に圧倒されて、自分を守るために防御の壁(対処機構)を維持し続けます。
健全な家庭では両親が子供の傷を緩和しますが、機能不全家族では子どもが両親の傷の面倒を見る傾向にあります。
そして、感情的・心理的に機能不全家族のパターンは世代で引き継がれて再現しやすく、つまり表出の方法は違えども何か心にぽっかり穴があいて、自分がどこか分離しているような感覚のまま生きていきます。
マザーテレサが、来日して言った言葉があります。
カルカッタやその他の土地に比べれば、貧しさの度合いは違います。豊かそうに見えるこの日本で、心の飢えはないでしょうか。物質的な貧しさに比べ、心の貧しさは深刻です。心の貧しさこそ、一切れのパンの飢えよりも、もっともっと貧しいことだと思います。」※一部省略
マザーテレサ
機能不全家族であるか否かは、裕福さや貧しさといった環境や見た目などとは一切関係なく、小さい頃に情緒的に何かを喪失したことによって本当の自分を否認しつづけていることが原因なのです。
機能している家族と機能不全家族の違い
機能している家族
- 強固なルールがない
- 強固な役割がない
- 家族に共有されている秘密がない
- 家族に他人が入ることを許容する
- ユーモアのセンス
- 家族成員はそれぞれ個人プライバシーを尊重され、自己という感覚を発達させている
- 個々の家族成員は家族を持っているが、家族から去る事も自由
- 家族成員間の葛藤は認められ解決が試みられる
- 常に変化し続ける
- 家族に一体感がある
オープンなコミュニケーションと常に一貫性がある家庭で育った子供は、
「責任を持つこと」
「秩序立てること」
「現実性のあるゴールを設定すること」
「遊び、笑い、喜ぶこと」
を学習する。柔軟性と自発性も学習する。人の感情を思いやって「人に手を貸す」概念を理解できる。「自己」の感覚を持ちながら集団に属すこともできます。
機能不全家族
- 強固なルールがある
- 強固な役割がある
- 家族に共有されている秘密がある
- 家族に他人が入ることを許容する
- きまじめ
- 家族成員にはプライバシーがない(個人間の境界があいまい)
- 家族への偽りの忠誠(家族成員は家族から去る事を許されていない)
- 家族成員間の葛藤は否認され無視される
- 変化い抵抗する
- 家族あ分断され、統一性がない
多くの場合、このような家庭で育った子供は健全な人格を形成するような「役割」の組合せを学習できず、「生き残るために必要だ」と本人が感じた役割にとらわれてしまいます。
円滑に機能している家庭の子供は価値を認められ、無防備になって、自分のニーズをあらわし、依存的になり、未熟で、不完全でいられますが、機能不全家族で育った子供は、生き残るために「役割」を演じ続けます。そして、その子供が大人になると、その「役割」は本人が満足し幸福になることや長続きして親密な大人の人間関係をつくることを阻害します。
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機能不全家族で育ったという事実を受け入れることから
ほとんどの子どもが「機能している家族」で育ったのかというと、たった2割にも満たないという研究もあります。むしろ「機能不全家族」の方が一般的なのかもしれません。
それに、目に見える機能不全家族よりも、目に見えない機能不全家族のほうが圧倒的に多い。
目に見える機能不全家族の中で育っている場合「私の家族はおかしい」と自覚しやすいのですが、目に見えない機能不全家族の中で育ったときは「着るものも食べるものも不自由なかったし自分のために両親は尽くしてくれた」と思っているので、自分がずっと感じている違和感の原因がわかりにくかったりします。
でも思い出してみてください。
その違和感…小さい頃からずっと持っていたのではないですか?
大人になって社会と関わっていくなかである種の生きにくさを感じて、自分は「機能不全家族」で育ったアダルトチルドレンなのかもしれない・・・ということを受け入れることは難しいことかもしれません。
しかし、アダルトチルドレンという言葉は、【自身の生き辛さを理解し、自己成長の為に出発しようとする人のために】、クラウディアブラック氏により生み出された概念です。
機能不全家族で育ったことを受け入れる過程で、親を責めたり傷つけたりしたくなるかもしれませんが、それをしてしまうと自己成長の妨げになります。
親になったからといって完璧な大人になっている訳ではありません。その時の環境や状況において、悩みや問題を抱える時期があり、失敗したり後悔することもあります。
機能不全家族で育つことで、大人になって社会と関わっていくなかである種の生きにくさを感じるアダルトチルドレンとして現在は生きていたとしても、親を責めたり傷つけたりするのではなく、自分と親との価値観の違いを知り、自分の価値観で生きていくことができるようになったとき、現在抱えている様々な問題や課題は解決していくものなのです。
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